youTubeとテレビ局は最高のパートナーになれるのに。
id:jkondo:20070307 を読んで、考えたこと。
確かにテレビ番組には、まだ巨大な可能性があると思う。
そのキーは、
- 小口化する。
- 選択権はユーザーに委ねる。
にあるだろう。
今日は、それについて主に民放側の視点で、ちょっと書いておきます。
iTunesMusicStoreがやったこと。
これから、テレビ局とネットの間で何が起こるか?といったことを考えたとき思い浮かぶのは、ナップスターからiTunesMusicStoreへの変遷のときの騒ぎである。
そう考えれば、次に起こりうることは、ある程度自明ですらあるように思える。
結論から言えば、
動画版のiTunesMusicStoreを広告モデルでつくれば良い。
ということである。
ナップスター当時、多くの利用者は別に『お金を払いたくないから、著作権を侵害した』のではない。
オンラインで正当な対価で簡単に欲しい楽曲のみをダウンロード出来るサービスがどこにも無かったから、ナップスターを使ったのである。
ならば、それが動画になっても同じことだろう。
多くのyouTube利用者は、別に『CMを見たくなくて、お金を払いたくなくて著作権を侵害している』のではないのである。
単純に、放送後に面白かったと言われるシーンを自分でもみてみたいが、そういうサービスが他に無いからyouTubeを使うのである。
ただ、それが、たまたまCMも無く、無料だっただけのことなのだ。
テレビの進む道。
ならば、広告ビジネスのテレビ局版のiTMSとは、次のようにイメージできる。
自社サイトに放送終了後の番組を自由に好きな部分を切り出して、ブックマーク、もしくは、ダウンロードできるサービスを始める。
ただし、その前方や中ほどには、番組提供のスポンサーのCMを自動でつけるようにする。
もし、CMがない動画をyouTubeでみつければ削除申請を出せば良い。そうすれば、投稿する側は、別に権利侵害が目的ではないのだから自然とルールに従いだすだろう。
これにより、CMは一度目のオンエア以降も、番組さえ良ければ、多くの露出ができることになる。しかもそれは正確に測定出来る形でできるのである。
これでCMの価格はあげられる。
そうすれば、料金は、タイムテーブル中心から、より番組自体の性質にシフトした形で決まることになるだろう。
それはテレビ局にとっても、いいことのように思えるのだが。
もうちょっと膨らますと
ここまできたら、膨らませるのは簡単だ。
ある番組をスポンサーしたら、永久に広告に入れてもらえるというのもおかしな話なので、放送後1ヶ月までのダウンロード or ブックマークから自社サーバーを利用した動画の閲覧は、完全に放送時のスポンサーが入る。1ヶ月から2ヶ月までは、50%の確率で入る。2ヶ月から3ヶ月までは、25%。3ヶ月目以降は、契約終了としよう。
しかし、コンテンツは生き続け、閲覧頻度は極めて落ちるだろうが、根強いコンテンツは、残り続ける。
そこで、広告を動画の性質に応じて、Google Adwordsと同じようにマッチングさせればよい。
そうすれば、増え続けるコンテンツを利用しながら、
- 放送後は、ロングテールでいうヘッドの企業の広告露出。
- 一定期間後は、マッチングがものをいう、テールの企業とつながる
といった連続的でハイブリッドな広告ビジネスが成り立つのである。